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監督・コーチ部屋

酒井宏之ヘッドコーチ ロングインタビュー vol.1 [監督・コーチ]

投稿日時:2013/12/02(月) 23:43rss

酒井宏之ヘッドコーチ インタビュー
 

関東大学リーグ戦を終えて
~そして大学選手権に向けて vol.1~
(取材日:平成25年11月26日)

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――リーグ戦全日程が終了しました。振り返ってみて、今の気持ちを聞かせてください
 
詰めが甘かったなぁと。負けた二試合は、どちらかというと自滅だったと思います。ハンドリングのミスだったり、セットプレーでのミスだったり、接戦で勝利してきたチームですので、ミスは致命傷ですからね。ただこれはいい勉強させてもらったと、前向きに捉えたいです。
 
――それは7試合を通してというより、後半の2試合(流経大・日大)のことですか?
 
あっ、そうでした。リーグ戦の振り返りでしたね。。。まずはリーグ戦2位という結果は素直に喜びたいし、選手を讃えたいと思います。そしていつも一緒に闘ってくれた中大一族の皆さまに感謝しております。開幕から勝っていた5試合は、とにかくミスが少なかったですね。スクラムが劣勢と言われていた試合でも、ミスが少ないのでスクラムを組む機会すらない(少ない)。これってすごく稀だと思うんですよ。特に開幕から3試合目までは、ノックオンが1つもなかったですからね。良い緊張感を味わい、その中で良い集中力を発揮できたので、チームとして良い経験ができたと思います。まさに今シーズンのスローガン『Pressure』が表現できました。選手たちもミスの少なさが勝利に繋がり、それが出来なかったら負けてしまうというのがわかったと思います。
 
――話は変わりますが、春に就任されて、こんなに早くチームが変わると思っていましたか?
 
はい、変わると思っていましたし、変えられる自信がありました。だって中大の選手は、他のチームと比べても負けないくらい、能力が高い選手が揃っていますからね。ただ、能力だけじゃ勝てないのが大学ラグビー!肝心の選手たちがやる気にならなければ何も変わらないと思うんです。ここ数年勝てなかったのも、その辺の意識とちょっとしたやる気スイッチのところだと感じていました。その中で今年の4年生は、山北主将を始め、本気で勝ちたい、本気でチームを変えたい、という気持ちとまとまりがあったのが大きかったですね。
またグラウンドだけではなく、私生活でも様々なドラマとターニングポイントがありました。この辺はシーズンが終わってからたっぷり話しますが、このリーグ戦2位という結果は決してフロックではないと思いますし、勝つべきチームになってきたと思います。大学選手権も自分たちの力を疑わないで、自信を持って戦ってほしいです。そして目標である国立行きを掴みたいですね。春先から選手と毎日接していて、意識さえ変われば結果はついて来ると思っていたので、就任早々からこの結果のイメージはありました。
 
――そのイメージが確信に変わった瞬間はいつですか?
 
ラグビー的な話で言うと、ターニングポイントがいくつかありました。まずは春の慶大戦ですね。失点は多かったのですが、得点の取り方が確立出来た試合でした。それまでの2試合(法大戦、早大戦)は、攻め方が明確ではなかったんです。春なので、何パターンか試したのですがうまく行かず、昨年までのパターンを取り入れ、良いイメージで得点するシーンがありました。結果は最後の最後に負けましたが、その敗因は勝ち切れないメンタルだってこともわかりました。そのあとに日大に勝利出き、良い流れで春シーズンを終えられたので、慶大戦は一つ目のターニングポイントだったと思います。負けて良かったです(笑)!次は夏合宿の京産大戦です。先に近大と大体大に連敗したのですが、とにかくセットプレーの獲得率がめちゃくちゃ悪かったんです。でもその割りには失点が少なく、タックル成功率も悪くなかったので、ディフェンスの手応えは掴んでいました。それを踏まえて挑んだ京産大戦。うちは連戦続きで疲労もたまっている状態で、相手は夏合宿最初の試合。疲労感もない相手でしたから、正直不安でした。。。ただこの試合で選手たちは、春から掲げていた「ディフェンスの中大」を体現してくれました。ディフェンスしている時間は長かったのですが、我慢して我慢して、相手のミスを誘ってトライするという、狙い通りのプレーがありました。ディフェンスしているのに、逆にどんどん前に出て行く姿は、見ているスタッフ陣も痺れましたし、これが今シーズンの中大スタイルなんだと、みんなが感じた試合でした。この京産大戦もターニングポイントになりましたね。
 
――そのあとの筑波大戦勝利に繋がった試合でしたね
 
そうですね、相手はBチームでしたが対抗戦チャンピオンチーム。京産大戦で得た自信を胸に挑み、良い形で勝利できました。この試合は夏合宿最終戦だったので、最高の締め括りになったし、何より選手たち自身が手応えを感じた試合だったと思います。また合宿明けにお忍びで栗田工業さんと試合をしたのですが、その試合でも最後に接戦で勝利しました。だから僕の中では、アタックでは慶大戦、ディフェンスでは京産大戦がターニングポイントになったと思います。
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――夏合宿の良い流れの先に開幕戦の大東大戦がありました。その時の思いを聞かせてください
 
そうですね、選手以上に僕と謙吾Cもリーグ初戦はかなりたぎっていました(笑)!
※酒井HCと謙吾Cは大東大OBです!
まぁ、相手選手のプレーも性格も十分かっていましたし、その辺りは事細かく選手に伝えていました。。。(笑)相手のチームのことになりますが、大東大は夏合宿で京産大と戦う予定だったんです。うちのチームの次の日だったのですが、大雨で試合が中止になったんですよね。大東大は法政大戦に勝利しましたが、春に競った経験をしていなかったので、試合をやりたかったはずです。もし晴れて試合をして大東大が勝っていたら、勢いもついてもっと面倒臭かったと思うんですよ(苦笑)。だからあの中止は恵みの雨でしたね。正直これはついてるなぁと感じました(笑)。
 
――1点差の勝利でしたが、試合内容は得点差以上のものがあったように感じたのですが?
 
いやいやいや、結果的にはあの試合がリーグ戦2位と3位の試合だったわけで、中大も大東大もお互いが力を出し切った良い試合だったと思います。
うちとしては、「ディフェンスの中大」炸裂でしたね。
 
――次の王者:東海大戦も、関係者はワクワクでした
 
正直、大東大の事で頭がいっぱいで、東海大の事までは考えてませんでした(苦笑)。ただ、それだけ初戦の大東大戦が大事だったし、勝てば勢いで東海大にも勝てるんじゃないかと思っていました。冗談抜きで(笑)。それは夏合宿で試合を見て、まだチームとして完成してないんだなぁと思いました。そりゃ王者の余裕ですよね。シーズン早めに対戦して本当良かったです(笑)!中大としては、まさに勢いとチーム力で勝利した試合だったと思います。ただこの試合で勝利した分、次の立正大戦が怖かったんです。
 
――「中大試練の五番勝負」最終章ですね
 
はい。初戦が延期になったので、ジュニアを含めると3週間で公式戦5試合という強行日程になりました。逆算すると、肉体的にも精神的にも立正大戦が1番きついだろうなと予測していました。
ただ中大の選手は、スケジュールがタイトな程、力を発揮する“ドM体質”なので、このタイトルを付けて乗り切ろうと考えました。
あとはドッキリもやりましたね。連勝中であっても、選手には疲れがあったので、何かショックが必要でした。結果的に、どちらも成功しましたね!(笑)
※立正大戦は酒井HCが私用で試合に来れないはずが、当日大きな箱から登場するドッキリサプライズ。
 
――それから連勝して5連勝となりました。正直不安はありましたか?
 
不安なんてないですよ。希望しかなかったです!
いつでも夢と希望だらけの中大ラグビー部です!
 
――優勝決定戦にもなりました流経大戦の時の気持ちは如何でしたか?
 
全くノーマークだったチームが、41年ぶりのリーグ優勝?だなんて言われたりして、少し浮ついちゃっていたんですかね。また、前の試合の拓大戦が、ちょっと出来すぎの試合内容でした。あんなに得点を取るチーム(50得点)ではないですからね(苦笑)。流経大は確かに強いチームですが、中大が何かよそ行きのラグビーをしちゃいましたね。ミスも多かったので、自滅した勿体ない試合だったと思います。選手もわかっていると思いますよ。

<続く>

 




(インタビュー:小宅崇)
[photo:CURFC]