大きくする 標準 小さくする

監督・コーチ部屋

酒井宏之ヘッドコーチ ロングインタビュー vol.2 [監督・コーチ]

投稿日時:2013/05/23(木) 20:22rss


酒井宏之ヘッドコーチ ロングインタビュー



「リーダーに必要なものは?・・・ジャンケンですね(笑)」



(取材日:平成25年5月16日)


201305232047_1-450x0.jpg

――見ていて明らかに選手が変わってきたのが伝わってきますが、酒井HCの選手を「やる気」にさせる秘訣はなんですか?
 
まずはみんな平等という事です。実績は関係なく、みんな平等に見ています。ただメンバーはリザーブも含めて22人だけなので、どうしても選ばれない選手が出てくる。そんな時にもったいないのは、腐ったり湿っちゃう事。実は僕も学生時代に試合に出れなくて腐っていた時期がありました。だからそういう選手の気持ちがわかるし、ついつい目がいっちゃうんですよね。でも腐っても何も良い事はない。試合に出れなくてもチームのためにやれる事はあるし、その姿勢こそがメンバー入りに繋がる事に気づいてほしいですね。みんなそれぞれ魅力があるので、チームに貢献出来る役割を見つけて適材適所に分けてあげれば必然と「やる気」に繋がると思います。
 
――酒井HCの教えは「意識改革」なんですね
 
そうですね。意識とノリ改革ですね(笑)。だってみんな力はありますから。そこを変えるだけで結果は変わって来ると思います。今まで結果が出なかったのには、何かうまく行かない理由があるわけで、そこを見つけて指摘して変えたいですね。4年生は今までの体質がヌルかったと、必死で変えようしています。これはいい事です。あとはみんなとても仲が良いけど、厳しさが足りない。「友達」じゃなくて「仲間」にならなきゃですね。これを良い伝統にして積み重ねてほしいです。
 
――中大ラグビー部は、来年に創部90周年になります。今の4年生が「改革元年」と口を揃えて活動しています
 
そうですか、4年生がそう思ってくれるのは嬉しいですね。やっぱり大学時代の経験や仲間は一生ものですから。ましてや良い結果を残せば、卒業してからも長い付き合いになると思いますね。僕も卒業してから20年ほど経ちますが、今だにその時の仲間とはガッツリ付き合っております。でもまぁよく喧嘩もしたんですけどね(笑)。(少し沈黙)。。。そうですか、4年生が変わろうとしているんですね。絶対にこのチームは強くなりますし、結果も出ますよ。それには、もちろんグラウンドもですが、学校や寮生活などが大事。みんなで夢やクサい話をいっぱい語り合ってほしいですね。体育会系なんだからクサいの当たり前!クサいの上等!(笑)今僕は指導者の立場ですが、今の学生と良い結果を残して、長い付き合いができればいいですね。将来、結婚する時は式にも呼んでほしいです(笑)。
 
――大学ラグビーのあるべき姿を聞かせて下さい
 
まずは大学ラグビーを通じてカッコいい男になってもらいたいですね。喜んだり、失敗したり、色んな経験をしてほしいです。その中でも特に“You'll never walk alone.”ですね。「君は1人じゃない」という助け合い精神が社会に出て必ず必要となって来るので、この4年間で身につけてほしいです。そして当時のように大学選手権で6万人集められるぐらい注目されたいですね。やっぱり日本ラグビーは大学ラグビーが牽引してきたという伝統があるわけですから、火を消しちゃいけないですよ!今少し感じるのは、各チームの「色」が無くなってきてるかなと。これは衛星放送などでトップリーグや海外チームが身近になってきている影響もあると思います。もちろんラグビー関係者や好きな人にとってはとても良いことだと思います。ただ人気を考えると昔の明治の「前へ」や早稲田の「展開」などはラグビーに興味ない人にもわかりやすかったと思いますね。VIVA 大学ラグビー!
 
――大学ラグビーって、巷の話題になっていましたよね
 
そうそう、話題にもなっていたし、見ていて面白かった!僕もラグビーの事は全然知らなかったけど、早明戦や正月の大学選手権は毎年家族一緒になってテレビで見てましたから。なんかよくわからないけど、テレビから活気が伝わってきましたからね。そういう意味では、少しおこがましいですが、中大から大学ラグビーを盛り上げて行ければ良いですね。「中大のラグビーは面白いぞ」ってね。
 
――技術面で中大ラグビーにテコ入れをするところはありますか?
 
BKは良いものがあると思います。恐らく大学チームの中でもトップクラスだと思います。そこを上手く活かせるようにしたいですね。FWに関しては、身体が大きい訳でもないし留学生もいないので、走力とチーム力で勝負していけるようになりたいです。
201305232133_1-350x0.jpg 

――今年の新入生についてお聞かせください
 
芸も含めて、面白い選手たちです(笑)。すぐにでも大学ラグビーに溶け込める選手もいます。他にも身体を鍛えていけば行く行く出て来そうな選手もいます。みんな僕と同じ1年生なので、常に上を向いていますよ。
 
――チームの試合メンバー構成は、様々な学年が入ってきてほしいですね
 
それが理想ですよね。やはりチームは継続していく訳ですから、同じ力だったら若い学年の選手を使った方がいい経験になりますよ。リーグ戦は7試合しかないので、その中での1試合に出場する経験は、その選手にとってもチームにとってもとても大きいですからね。だから4年生は逆に大変じゃないですか。誰からも認められるぐらい圧倒的に強くなければいけないわけですから。(と言ってプレッシャーをかけてます。笑)
 
――そう言う意味では今のリーダー陣は圧倒的な力を持っていますね
 
山北や拓朗(高橋)、藤原は圧倒的に強いですよ。ポテンシャルはもちろん、練習への取り組み、普段の行動。でも彼らには更に高い要求をしたいですね。しつこいですが、僕は欲深い人間なので、、、、(笑)
 
――リーダーに必要なものはなんですか?
 
ジャンケンですね(笑)。僕の人生の師からリーダーはジャンケンが出来なければダメだと教わりました。例えば、チームが固くなっている時は「パー」で和ませたり、また緩んでいる時は「グー」で締めないといけない。常にチーム状態を感じて、ジャンケンで使い分ける。じゃあ「チョキ」は?と言うと、どうしても「グー」や「パー」に当てはまらない人間も出て来る訳です。言ってみれば「チョキ」は最終手段。チームの輪に入れない奴を最後は切る。。。でも「チョキ」は基本使いません。だいたいそういうタイプは湿ってるわけですから、ハートに火を付けてやればいいわけです。湿ってる奴は炎と一緒で中々火がつかないけど、一度火がついたら中々消えないですからね。だからリーダーには常に「グー」「パー」を使って、湿ってる奴をいかにその気にさせるかも大事になってきます。これは監督やコーチがやってもダメですからね。選手リーダーがやらないと意味がない。それを教えていきたいですね。でも山北や拓朗や藤原はそういう空気の察知能力が高いです。あと三人とも言葉のセンスがあります。リーダーって言葉のチョイスやセンスは重要ですからね。まぁ、僕にまだまだ叶わないけど(笑)。
 
――現時点で、選手たちに疲労度があるように思いますが
 
結果が出ると疲労度も充実感に変わってくると思います。やはり朝からランニングとかウェイトトレーニングとか、去年までやってなかった事をやっているので慣れてないんでしょう。でもそれが必要なことだと信じてほしいですね。あと今はどこのチームも朝から結構激しくやっているので、中大だけ見ていちゃいけないよって言いたいですね。そしてトップアスリートになってほしいです。もちろん大学生だからプロじゃないけど、意識だけはプロになってほしいです。だってファンの方はお金を払って試合を観に来るわけだし、代表に選ばれれば同じ年代のプロ選手たちと対戦する機会もある。今みんながいるのは、そういうレベルなんだよと、そこも意識改革できればと思います。
 
――チームの中で気になる選手はいますか?
 
北村彦樹(3年)です。なんであの字で「げんき」と読むのかなって(笑)。後は健士郎(鈴木・3年)と三四郎(井出・1年)ですね。激しくていかつい名前だけど、お前らそんなに強くないだろって(大笑)。ご両親には大変申し訳ないですけど、名前負けしているなと。。。すみません、全くのギャグですよ!!真面目な話しでは、みんな魅力的ですよ。もう、みんなにゾッコンです!僕は大東愛が強かったですし、教えていた選手がまだ現役にいます。どうやって中大の選手に感情移入するかなと不安だったのですが、なんて事なかったです!も~う中大に「ZOKKON命」(byシブガキ隊)です(笑)。でもまだまだ僕の1人よがりの片思い、、、早く奴らを振り向かせて、両想いになりたいです。。。(苦笑)
 
――酒井HCは「青」も似合いますね
 
そうですか、それは嬉しいですね。関東大学リーグ戦セブンズで、大東大の恩師 鏡さんと挨拶がてら立ち話をしていて「酒井よ、それ似合ってるぞ!」って言われたんですよ(中大カラーのジャージを着用していて)。緑(大東大カラー)が好きだった僕には褒め言葉にしか聞こえませんでしたね(笑)。あと軽く運命を感じているのが、リコー時代にメンタルトレーニングの一環で、各選手のラッキカラーを教えてもらったのですが、僕は「青」と「水色」だったんです。だから試合ではいつも「青」と「水色」のリストバンドを着けていました。今思うと中大カラーだって思っています。こじつけですけど(笑)。
 
――今年の目標を聞かせて下さい
 
長いシーズン色々あると思いますが、常に「やめない」「めげない」「あきらめない」で上を向いて行きたいです。選手と最終的に国立に行こうと決めたので、ちょっと何かあったからってめげない事ですね。必ずターニングポイントが訪れるので、そのきっかけを逃さずに目標を達成したいです。
 
――「今年の中大ここに注目してほしい」を聞かせて下さい
 
「ガヤ」(部員一丸になった応援)ですね(笑)。中大は、アイドルで言ったら「AKB」ではなく「ももクロ」を目指したいんですよ。プロレス界で言えば「鈴木軍」。他のチームと同じ事やっても面白くないですからね。もう勝つためだったら何でもやっちゃう!みたいな(笑)。既にサポーターズクラブやジャージのメーカー、僕や謙吾(ウェイトC)など他大学からのスタッフ入りなど、他大学にはない事を色々やってますね。引き続きやらかして行きたです。
 
――最後に酒井HCにとってラグビーとは何ですか?
 
わからないです(笑)。でも、とにかくかけがえのないものです。とても一言じゃ言えないし、逆にどんな言葉でも当てはまるし。ラグビーってズルい奴ですよ(笑)。いつまでも大好きだし、ホントかけがえのない存在ですね。
 
――ありがとうございました

                                               (了)








(インタビュー:小宅崇)



5/26(日)は茨城県・ケーズデンキスタジアムで行われる
関東大学春季大会、慶応義塾大学戦です。
引き続きご声援よろしくお願いします。