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~選手インタビュー~ STYLE

vol.14 羽野一志『ラグビーに出会えたことが運命と感じる』 [STYLE 2013]

投稿日時:2013/08/30(金) 21:41

選手インタビュー第14弾は羽野一志です。
幼少時代に姉の背中を追いかけ、目指したスポーツがバスケットボールだった羽野一志選手。決して先を見据えてラグビーに夢中になったわけではなく、今現在ラグビーを続けているのは、人並みはずれた『負けず嫌い』の性格そのものです。日本代表に選出されても決して驕ることなく、仲間を大切にする性格は、人一倍努力している証でもあります。
ラグビーの世界に飛び込んだ経緯や、今後の目標をインタビューしました。

(取材日:平成25年8月23日)






 

~選手インタビュー~ 「STYLE」 vol.14 羽野一志『ラグビーに出会えたことが運命と感じる』

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——出身はどちらですか?

愛知県の名古屋市です。名古屋駅から車で10分ぐらいのところに実家があります。

——ラグビーはいつから始めましたか?

中学一年生から始めました。入学してバスケットボール部が無かったので実は卓球部に入部しようと思ったんですが、親から走るスポーツをしてくれと言われました(笑)。そこで姉の仲の良い先生がラグビー部の顧問をしていて、姉の勧めもあってラグビー部に入部しました。

——やりはじめの頃はどこのポジションでしたか?

最初は第一センター(CTB)でした。今で言うとインサイドセンター「12番」ですね。中学の頃は12人制だったので、そう言うポジションでした。

——ラグビーの魅力はどこですか?

タックルですね。タックルが出来るようになってから楽しくなりました。それが中学2年生の頃だったと思います。

——ラグビーをはじめてからは、ずっと続けようと考えていましたか?

いえ、高校に入学したらバスケットボール部に入ろうと考えていました。

——そこでラグビーを続けた理由は何ですか?

僕も正直わからないんですよ。でも中学最後の大会(愛知県選抜)で負けてしまって、それで僕の『ラグビー魂』に火がついた感じですね(笑)。その悔しさで、愛知県で一番ラグビーの強い高校(名古屋市立西陵高等学校)に入学しようと決意しました。

——西陵高校に入学して、藤井さん(昨年度主将)と出会った訳ですね

はい。最初はめちゃくちゃ怖かったですね。鬼みたいな人でした(笑)。とにかくキャプテンシーが強くてチームを引っ張る存在で、妥協をしない頼れるキャプテンでした。

——中央大学を選んだ理由を聞かせてください

実は別の大学に入学したいと考えていましたが、他の選択を考えざるを得なくなり、、、、だったら一つ上の藤井さんがいる中央大学だと、迷わず決めました。中大に入れば、知っている先輩もいるし、とにかく楽しみながらラグビーが出来れば良いのかなって考えていました。

——入学してから考え方は変わりましたか?

そうですね、最初は試合に出れなくてもいいやと思っていました。でも持って生まれた負けず嫌いの性格のせいか、同期にも負けたくなかったし、年上の先輩にも負けたくなかったんです。とにかく1年1年がむしゃらにラグビーに集中するようになりました。

——その負けず嫌いの性格が、数々の日本代表選出に繋がっていますね

たしかにそうですが、僕は一度たりとも代表(日本)に入りたいと思ったことはないんです。中央大学で試合に出始めて、代表関係の人の目に留まって、色んなセレクションに呼んでもらいました。そこでも周りに負けたくなくて、一生懸命プレーした結果が代表に繋がったと思います。

——セブンズ(7人制ラグビー)代表で戦って、気持ちも変わりましたか?

1年の終わりから代表候補に選出してもらったんですが、その当時はメディアも盛り上がりに欠けていました。しかしオリンピック種目(2016年ブラジル・リオデジャネイロ開催)に決まってから、周りが盛り上がってきましたね。そのタイミングから代表でプレーする度に、取材も多く受け始めて、自分自身のラグビーに対する意識も変わってきました。

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——今年のセブンズ・ワールドカップ(6月/ロシア開催)を経験して、中央大学に浸透させたいことはありますか?

代表の人たちは、技術面よりも練習に対する準備だったり、ラグビーに対する意識が違います。何かあったらラグビーのことを考えていますし、練習前もしっかり準備しています。技術面は指導者がいるので、あえて選手たちが考えることではないと思っています。選手自身がやらなければならないことを妥協せずにしっかりやることですかね。僕はその代表選手たちの背中を見続けてきたので、その辺を今のチームに浸透出来たらいいなと考えています。

——今年が最後の大学ラグビーです。何か思いはありますか?

あまり考えてませんね。これでラグビーが終わるわけではないし、次のカテゴリーでも続けるので、感慨深いものも正直ありません。僕の大学ラグビーは通過点に過ぎません。でも、同期の中には大学でラグビーを終える人もいますから、その仲間とこの瞬間を大切にして、力を出し切りたいと思います。僕は入学当初から1年1年完全燃焼するように心掛けていましたから、それを継続するのみです。

——ラグビーを続けてきた中で支えなになった人物はいますか?

まず、このラグビーというスポーツを教えてくれた、中学校の顧問には感謝しています。帰省するとご飯を奢って頂けますし。。。(笑)でも一番は親ですかね。僕は頑張り過ぎてしまう面があるので、両親は良い意味で「適当に頑張ればいいから」と声をかけてくれています。「痛かったら辞めていいんだよ」とか「辞めたくなったら無理して続けなくていいから」って(笑)。

——お母さんがよくカレーライスを作ってくれるらしいですね

はい、以前ラグビー雑誌の取材で、好きな食べ物をカレーライスって言ったんです。そうしたらお母さんが、「あなたの好きなカレー(ライス)だよ」って、実家に帰省する度に作ってくれています(笑)。メディアは怖いですねぇ。。。直接言わなくても母親に通じてしまっているので。

——取材を受ける機会も増えたと思いますが、メディアに対しての思いはありますか?

僕がメディアの人と大きく関わりを持ったのが、今年のセブンズのワールドカップです。その時のメディアの方は、大会に帯同してくれて、ラグビーの事を全く知らずに取材された方でした。しかし大会が進むに連れてファミリーになるのがわかったし、しかもこの素晴らしいラグビーの良さを広めてくれようとしてくださっているのが手に取るようにわかったんです。ラグビーは素人かもしれませんが、色々と声をかけてくれたりして非常に新鮮で心に響きました。でも、囲み取材は今でも怖いですね(笑)。

——今年の目標を聞かせてください

そうですね、この夏合宿は厳しい戦いが続いています。でも目標は変えずにシーズン最初に決めた目標(大学選手権準決勝進出)を貫きたいですね。何よりも監督やコーチ陣、応援してくださる皆様の期待に応えたいと思います。

——羽野選手にとって『ラグビー』とは何ですか?

えっ!?それってBS朝日で放映している「ワイルドな奴」(ラグビーウィークリー)じゃないですか?(笑)。僕にとってのラグビーですか?何だと思います?。。。何ですかね、言葉では表しにくいですね。やりたくて始めた訳じゃなく、なりたくて代表に入った訳じゃなく。。。でも今の自分がいる訳なので、運命としか言いようがないですね。今までも、そしてこれからも、自分の人生を導いてくれたものが、ラグビーだと思いたいです。

——ありがとうございました








(インタビュー&構成:小宅崇)
[photo:CURFC]